目次1.スケジュール一覧表を参考に相続でやることの全体像を把握する2.相続発生後7日以内にやること【死亡届・葬儀関係】①死亡診断書の取得②死亡届と火葬許可申請の提出③埋葬許可証の取得④退職の手続き3.相続発生後10日以内にやること【年金関係】①年金受給者死亡届を提出4.相続発生後14日以内にやること【住民票・保険関係】①世帯主変更届(住民異動届)の提出②介護保険資格の喪失届を提出③健康保険の資格喪失届(国民健康保険異動届出書)を提出5.相続発生後1か月以内には忘れずにやること【契約関係】①公共料金(水道・電気・ガス)の契約変更・解約手続き②NHKの契約変更・解約手続き③クレジットカードの解約手続き④運転免許証・パスポートなどの身分証明になる物の返納⑤固定資産税や住民税の請求先の変更手続き⑥携帯、固定電話、サブスク、Wi-Fiなどの有料サービスの名義変更・解約手続き6.相続発生後3か月以内にやること【相続人・相続財産・遺言書関係】①相続人が誰になるのかを戸籍謄本を基に調査する②相続財産がいくらあるか、どこにあるか調査する③遺言書の検認手続きをする7.相続発生後4か月以内にやること【所得税関係】①所得税の準確定申告を行う②青色申告を引き継ぐ8.相続発生後10か月以内にやること【遺産相続・名義変更関係】①遺産分割協議を行う②遺産分割協議で遺産の配分を決める③遺産分割協議書を作成④銀行や株などの証券口座の名義変更・解約手続き⑤生命保険の死亡保険金や入院保険金を申請する⑥相続登記(不動産の名義変更)の手続き⑦自動車の名義変更の手続き⑧相続税の申告9.相続発生後1年以降に行うべき相続手続き①【1年以内にやること】遺留分侵害額請求を行う②【2年以内にやること】健康保険の葬祭費と埋葬費の請求を行う③【5年以内にやること】遺族年金の請求を行う10.相続手続きは誰に頼めばいい?①【まとめ】相続の手続きはなるべく早めに専門家に相談・依頼するべし① |
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1.スケジュール一覧表を参考に相続でやることの全体像を把握する 家族が亡くなると、遺された人は相続手続きをはじめとした様々な手続きに追われることになります。 |
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期日 | 手続き内容 | 対象となる人 | 手続き先 |
相続発生後7日以内 | 2-① 死亡診断書の取得 | すべての人 | 病院(事故の場合は警察) |
2-② 死亡届と火葬許可申請の提出 | すべての人 | 市区町村役場 | |
2-③ 埋葬許可証の取得 | すべての人 | 火葬場 | |
2-④ 退職の手続き | 故人が勤めていた場合 | 勤務先 | |
相続発生後10日以内 | 3-① 年金受給者死亡届を提出 | 故人が年金を受給していた場合 | 年金事務所、街角の年金相談センター |
相続発生後14日以内 | 4-① 世帯主変更届(住民異動届)の提出 | 故人が世帯主であった場合 | 市区町村役場 |
4-② 介護保険資格の喪失届を提出 | すべての人 | 市区町村役場 (被用者保険は勤務先、健康保険組合) |
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4-③ 健康保険の資格喪失届(国民健康保険異動届出書)を提出 | すべての人 | 市区町村役場 (被用者保険は勤務先、健康保険組合) |
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相続発生後1か月以内 | 5-① 公共料金(水道・電気・ガス)の契約変更・解約手続き | 必要に応じて | 電気、ガス、水道事業者など |
5-② NHKの契約変更・解約手続き | 必要に応じて | NHK | |
5-③ クレジットカードの解約手続き | 必要に応じて | カード会社 | |
5-④ 運転免許証・パスポートなどの身分証明になる物の返納 | 必要に応じて | 警察署、パスポートセンターなど | |
5-⑤ 固定資産税や住民税の請求先の変更手続き | 必要に応じて | 市区町村役場 | |
5-⑥ 携帯、固定電話、サブスク、Wi-Fiなどの有料サービスの名義変更・解約手続き | 必要に応じて | 携帯、固定電話会社、サブスクなどの有料サービス会社 |
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相続発生後3か月以内 | 6-① 相続人が誰になるのかを戸籍謄本を基に調査する | すべての人 | 戸籍謄本は市区町村役場で取得 |
6-② 相続財産がいくらあるか、どこにあるか調査する | すべての人 | 手続き先なし | |
6-③ 遺言書の検認手続きをする | 遺言書がある場合 | 家庭裁判所 | |
相続発生後4か月以内 | 7-① 所得税の準確定申告を行う | 必要に応じて | 税務署 |
7-② 青色申告を引き継ぐ | 必要に応じて | 税務署 | |
相続発生後10か月以内 | 8-① 遺産分割協議を行う | 遺言書がない場合 | 手続き先なし |
8-② 遺産分割協議で遺産の配分を決める | 遺言書がない場合 | 手続き先なし | |
8-③ 遺産分割協議書を作成 | 遺言書がない場合 | 手続き先なし | |
8-④ 銀行や株などの証券口座の名義変更・解約手続き | 必要に応じて | 銀行、証券会社 | |
8-⑤ 生命保険の死亡保険金や入院保険金を申請する | 故人が保険に加入していた場合 | 保険会社 | |
8-⑥ 相続登記(不動産の名義変更)の手続き | 必要に応じて | 法務局 | |
8-⑦ 自動車の名義変更の手続き | 必要に応じて | 運輸支局など | |
8-⑧ 相続税の申告 | 必要に応じて | 税務署 | |
相続発生後1年以内 | 9-①遺留分侵害額請求を行う | 必要に応じて | 他の相続人などに請求 |
相続発生後2年以内 | 9-②健康保険の葬祭費と埋葬費の請求を行う | 条件に該当する場合 | 市区町村役場または健保組合 |
相続発生後5年以内 | 9-③遺族年金の請求を行う | 条件に該当する場合 | 市区町村役場または健保組合 |
2.相続発生後7日以内にやること【死亡届・葬儀関係】 |
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①死亡診断書の取得家族が病院で亡くなった場合は病院の主治医から、自宅で亡くなった場合はかかりつけ医などから死亡診断書を交付してもらいます。診療中の病気以外で亡くなった場合や不慮の事故で死亡したときは警察に連絡して医師から死体検案書をもらいます。死亡診断書(死体検案書)は死亡届と1枚の用紙になっています。死亡診断書をもらったら、右側の死亡届に必要事項を記入します。【オススメする事項】(1)死亡診断書は、この後のさまざまな手続きで必要になるため、死亡がわかった日の当日か次の日にはもらうようにすることをオススメします。(2)役所に死亡届を提出すると死亡診断書は手元に残らないため、あらかじめ複数枚発行してもらうか、コピーを取っておくようにすることをオススメします。 |
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②死亡届と火葬許可申請の提出家族が亡くなったときには、亡くなったことが分かってから7日以内に市区町村役場に死亡届を提出する必要があります。実際には葬祭業者が提出してくれることが多いですが、用紙への記入は遺族が自ら行います。提出する市区町村役場は次のいずれかになります。・故人の死亡地・届出人の所在地・故人の本籍地※国外で死亡したときは、3か月以内に滞在国の大使館、総領事館または本籍地の市区町村役場に提出します。死亡届を提出した後、火葬の許可を申請します。火葬許可証は遺体を火葬する場合に必要になるため、必ず申請しなければなりません。市区町村によっては、死亡届を提出するだけで火葬許可証が発行される場合もあります。ほとんどの葬儀会社が手続きを代行してくれます。火葬許可証は、火葬のときに火葬場に提出します。 |
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③埋葬許可証の取得火葬が終われば埋葬許可証をもらいます。埋葬許可証は、遺骨をお墓や納骨堂に納めるときに必要になります。遺骨(骨壺)を収めた木箱に入れるなどして紛失しないようにしましょう。 |
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④退職の手続き故人が会社などに勤めていた場合は、死亡後できるだけ早く勤務先に連絡して退職の手続きをします。 |
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3.相続発生後10日以内にやること【年金関係】 |
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①年金受給者死亡届を提出亡くなった人が年金を受給していた場合には、速やかに受給停止手続きをして年金を過剰に受け取らないようにしましょう。手続きが遅れてしまい、年金を余分に受け取ってしまった場合には、後日年金を返さなければなりません。年金の受給停止手続きの概要と必要書類は、次の通りです。
【オススメする事項】(1)年金受給停止手続きと合わせて、未支給年金を同時に請求しておくことをオススメします。(2)未支給年金は亡くなった人の遺族が請求できます。(3)未支給年金の請求期限は亡くなってから5年となります。 |
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4.相続発生後14日以内にやること【住民票・保険関係】 |
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①世帯主変更届(住民異動届)の提出故人が世帯主だった場合は、死亡後14日以内に、同一世帯の方または代理人が、市区町村に世帯主変更届を提出しなければなりません。変更後の世帯主には、15歳以上であれば誰でもなることができます。世帯主変更届の提出方法や必要書類は、次の通りです。
【オススメする事項】(1)市区町村役場に提出するものなので死亡届の提出と同時に行うことをオススメします。※世帯に残った人が1人だけの場合や母と幼い子供(15歳未満)だけの場合など、誰が世帯主になるかが明確な場合は提出の必要はありません。 |
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②介護保険資格の喪失届を提出介護保険は死亡した日の翌日から資格喪失となり、死亡後14日以内に資格喪失届を市区町村へ提出する必要があります。手続き方法と必要書類は、次の通りです。
※介護保険資格の喪失届の手続きを行うと、未納分や払い過ぎの介護保険料がないか再計算され、次の通りになります。・未納分がある場合:相続人が不足分を納める必要があります。・払いすぎがある場合:相続人に還付金が支払われます。 |
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③健康保険の資格喪失届(国民健康保険異動届出書)を提出健康保険は死亡した日の翌日から資格喪失となり、死亡後14日以内に資格喪失届を市区町村へ提出し、健康保険証を返却する必要があります。日本国内に住所がある人は年齢や国籍に関わらず、以下のいずれかの健康保険に加入しています。・国民健康保険:自営業者や学生・後期高齢者医療保険:75歳以上の人・被用者の健康保険:会社員や公務員世帯主が死亡したときは、扶養されていた家族も死亡日の翌日に健康保険等の資格喪失をしてしまいますので、健康保険証を返却し、新たに健康保険に加入する手続きが必要です。その場合の新たな健康保険の手続きは以下のの2つの方法があります。・自分で国民健康保険に加入する。・会社員となっている家族の被扶養者になる。手続き方法や必要書類は、それぞれ次の通りです。
【オススメする事項】(1)健康保険証は各種手続きの本人確認にも使われますので、紛失して第三者に悪用されることがないように、早めに返却することをオススメします。(2)亡くなった人が加入していた健康保険では、遺族の金銭的な負担を軽減するため、葬祭費や埋葬料の支給制度を設けている場合もあります。この請求をする場合、期限には余裕がありますが、健康保険の手続きと一緒に行うことをオススメします。 |
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5.相続発生後1か月以内には忘れずにやること【契約関係】 |
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①公共料金(水道・電気・ガス)の契約変更・解約手続き故人名義の口座やクレジットカードから自動引き落としで公共料金を支払っていた場合、死亡後の口座凍結やクレジットカード利用停止で自動引き落としができなくなり支払いが滞る恐れがあります。引き続き利用する場合は、できるだけ早く手続きをしましょう。
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②NHKの契約変更・解約手続き故人が世帯主であった場合で家族が引き続きテレビを見る場合は、契約者氏名変更の手続きをします。故人が一人暮らしをしていた場合でも、解約するまでは受信料が発生し続けますので、契約者が死亡したことをNHKに連絡しましょう。尚、故人の預金口座が凍結されると入金ができなくなるため、返金がある場合は遺族の口座をお伝えすることをオススメします。 |
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③クレジットカードの解約手続き故人がクレジットカードを持っていた場合は、カードの裏面に記載されている連絡先に連絡して解約の手続きをします。尚、故人が生前に利用していた代金を、指定の期日まで支払う必要があります。クレジットカードは盗まれると第三者に悪用される恐れがあります。また、使わなくても年会費が引き落とされる場合がありますので、不正利用や年会費の支払いを避けるためにも、早めに解約の手続きをすることをオススメします。解約の手続きが終わったら、カードはハサミで裁断しましょう。
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④運転免許証・パスポートなどの身分証明になる物の返納故人の運転免許証やパスポートは各種手続きの本人確認に使われます。紛失などして第三者に悪用されないように、早めに返却の手続きをすることをオススメします。マイナンバーカードについては、返却が必要かどうか自治体によって対応が分かれています。相続後の手続きで必要になる場合もあるため、しばらくの間は大切に保管しておくことをオススメします。
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⑤固定資産税や住民税の請求先の変更手続き故人が納める必要があった固定資産税と住民税は、故人の代わりに遺族が支払う必要があります。固定資産税は1月1日時点の不動産所有者に課税され、住民税は前年の所得について課税されます。死亡したとしても納税が免除されることはなく、未払の税金として遺族が引き継ぐことになります。納期限に遅れると延滞税がかかるため、納付書が確実に届くように請求先を変更する「相続人代表者指定届出書」の提出手続きをする必要があります。詳しい手続き方法は市区町村役場の担当部署に確認してください。尚、この届出は、相続登記が完了するまでの間、固定資産税に関する通知書の送付先を確認するための届出であり、相続の権利とは一切関係ありません。 |
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⑥携帯、固定電話、サブスク、Wi-Fiなどの有料サービスの名義変更・解約手続き故人名義で携帯電話、固定電話、サブスク、Wi-Fiなどの有料サービスを使用していた場合は各契約会社に名義変更や解約の手続きが必要です。これらの契約は、解約日までの日割り料金が発生するのが一般的ですが、詳細については各契約会社に問い合わせてください。
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6.相続発生後3か月以内にやること【相続人・相続財産・遺言書関係】 |
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①相続人が誰になるのかを戸籍謄本を基に調査する相続人の調査は故人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本などを収集して、誰が相続人になるかを確認します。なぜ故人の戸籍謄本が死亡時点のものだけでなく、生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本が必要かというと、相続人が知らない隠し子や婚姻歴がないかなどを調査し、法定相続人にあたる人物を特定するためです。戸籍謄本は、法改正や結婚、転籍などにより3~8通程度ある人が多いです。亡くなった人の戸籍謄本の収集が完了したら、法定相続人の特定を行います。法定相続人になる人は、次のように民法で順位が定められています。・常に相続人:配偶者・第1順位:子(子が死亡している場合は孫)・第2順位:父母(父母が両方とも死亡している場合は祖父母)・第3順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹が死亡している場合は甥・姪)例えば配偶者と子供がいる場合は、配偶者と子供が法定相続人になり、亡くなった人の父母や祖父母は法定相続人にはなりません。法定相続人が確定したら、相続人全員の戸籍も収集していきましょう。相続人の戸籍が必要になるのは、相続開始時に相続人が生存していたことを証明するためです。戸籍謄本の取得方法や必要書類は、次の通りです。
※詳しい戸籍謄本の取得方法は各市区町村のホームページで確認できます。 |
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②相続財産がいくらあるか、どこにあるか調査する相続財産を調査するのは主に次の3つの理由からです。(1)スムーズに遺産相続をするためすぐに分かる財産だけを対象に相続をした場合、あとで相続財産が見つかったときにもう一度手続きをやり直さなければなりません。はじめから相続財産を正確に調べておけば、手続きをスムーズに進めることができます。(2)相続税を正確に申告するため相続税申告漏れがあれば、税務調査を受けて相続税を追加徴収されるだけでなく、延滞税や過少申告加算税などが課される可能性もあるので、相続税を正確に申告するためにも相続財産の調査が欠かせません。(3)故人の借金を肩代わりしないため故人の借金を肩代わりしないように借金や債務保証の有無を調べておく必要もあります。借金や債務保証も遺産相続の対象に含まれます。 |
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相続財産の調査を行う流れは、以下の通りです。手順1:相続財産の種類を把握する以下のように相続財産は現金や預貯金といったプラスの相続財産と借金などのマイナスの相続財産分けられますが、相続財産に含まれないものもあるので注意が必要です。
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手順2:相続財産の資料を探す故人の相続財産に当たるものが何かを確認したら、実際に相続財産の資料や手がかりを探していきます。具体的には、故人の自宅や貸金庫などを中心に、大切そうなものを保管していそうな場所を探します。相続財産の手掛かりとなるのは、主に以下のような資料です。(1)預金通帳やキャッシュカード(2)銀行や証券会社等からの郵便物(3)不動産の権利証、登記簿謄本(4)不動産の売買契約書(5)不動産の納税通知書(6)借用書や請求書(7)確定申告書の控え尚、預金通帳は残高を把握するだけでなく、過去の入出金記録から他の相続財産を把握するのにも役立ちます。過去の取引明細も確認しておくことをオススメします。 |
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手順3:相続財産の種類に合った調査を進める 故人が所有していた相続財産の種類を把握できたら、財産の具体的な評価に移ります。 |
③遺言書の検認手続きをする遺言書がある場合、法定相続分と異なる割合での遺産分割や法定相続人以外に財産を受け継げますが、遺産分割協議完了後に遺言書が見つかってしまうと、遺産分割協議のやり直しになる恐れがあり、非常に手間がかかります。そのため、亡くなった人から遺言書の存在を知らされていなくても、相続手続きを始めるときに遺言書を探しておくのが非常に重要です。遺言書が見つかった場合には、遺言書の種類によっては家庭裁判所での検認手続きが必要になります。遺言書は主に自筆遺言書と、公正証書遺言があります。それぞれ有無の確認方法や、存在を確認した際の対応は次の通りになります。【自筆証書遺言】 |
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遺言書の有無の確認から検認の手順は、次の通りになります。手順1:自筆自筆証書遺言書の有無を確認する。 遺言書の有無を調査する際には、亡くなった人が大切なものを保管していそうな場所を重点的に探しましょう。 |
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手順2:公正証書遺言の有無を確認する。 亡くなった人が公正証書で遺言書を作成していた場合には、公証人役場で原本が保管されています。最寄りの公証人役場で遺言書の有無を検索してみましょう。 |
手続き期限 | 死後速やかに、なるべく早く |
手続きできる人 | 相続人(代理人でも可) |
手続き先 | 全国の公証役場(遺言書が作成された公証役場) |
必要書類 | ・遺言者の死亡の記載のある戸籍謄本 ・相続人と遺言者の関係がわかる戸籍謄本など ・本人確認書類 ・委任状(代理人の場合) |
手数料 | ・検索は無料(全国の公証役場) ・閲覧:1回200円 ・謄本:1枚250円(遺言が作成された公証役場) |
手順3:公正証書遺言以外であれば家庭裁判所の検認が必要になります。
公正証書以外は家庭裁判所での検認手続きが必要なので、相続人であっても勝手に開封できません。遺言書を勝手に開封してしまうと、違法行為であり過料が課せられる恐れがあります。
ただし、開封してしまった遺言書も効力が失われるわけではないので、開封手続きを行いましょう。
家庭裁判所での検認手続きの流れは、次の通りです。
(1)家庭裁判所に検認の申立てをする。
(2)相続人全員に検認期日が通知される。
(3)検認期日に相続人が立会いのもと遺言書を開封する。
(4)検認済証明書の申請と交付をする。
遺言書の検認申立ての手続きと必要書類は、次の通りです。
手続き先 | 故人の最後の住所地の家庭裁判所 |
手続きできる人 | 遺言書の保管者、遺言書を発見した相続人 |
必要書類 | ・遺言書の検認申立書 ・遺言書 ・相続関係がわかる戸籍謄本など(除籍、改製原戸籍など) |
手数料 | ・収入印紙800円分 ・連絡用の郵便切手 |
7.相続発生後4か月以内にやること【所得税関係】 |
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①所得税の準確定申告を行う 準確定申告とは、亡くなった人について行う確定申告のことです。 |
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手続き先 | 故人の住所地の所轄税務署 |
手続きできる人 | ・相続人 ・包括受遺者 |
必要書類 | ・準確定申告書第1表、第2表、付表 ・源泉徴収票など |
②青色申告を引き継ぐ故人が行っていた事業を相続人が引き継ぐ場合は、亡くなった年分から所得税を申告しなければなりません。所得税の確定申告を青色申告で行うと、所得控除の額が増えるなど有利な扱いが受けられます。事業を引き継いだ相続人が青色申告をしたい場合は、税務署に青色申告承認申請書を提出します。申請の期限は原則として相続の開始を知った日(通常は故人の死亡日)の翌日から4か月以内ですが、9月以降に死亡した場合は死亡日に応じて次の通り期限が定められています。
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8.相続発生後10か月以内にやること【遺産相続・名義変更関係】 |
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①遺産分割協議を行う遺言書がない場合は、「遺産分割協議」を行うことになります。遺産分割協議とは、亡くなった人の持っていた財産を相続人がどのように分けるのかを決める話し合いのことです。遺産分割協議は相続人全員による合意が必要です。相続人が1人でも漏れると無効になってしまうため、相続人に漏れがないように確認しましょう。なお、遺産分割協議は相続人全員で行う必要がありますが、全員が1ヶ所に集まって行う必要はありません。電話やメール、その他の方法で意見交換をしながら協議を進めても問題ありません。また、以下に該当する相続人がいる場合には、家庭裁判所で代理人を選任してもらい遺産分割協議を進める必要があります。
尚、意見の相違や連絡が取れない相続人がいて遺産分割協議が難しい場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申立て、裁判所関与のもと話し合いを進めなければなりません。 |
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②遺産分割協議で遺産の配分を決める遺産の分け方を決めるときは、民法で定める法定相続分を参考にすることができます。必ずこのとおりに遺産を分けなければならないというものではありませんが、話し合いがまとまらない場合は、以下の法定相続分で遺産を分けることになります。
遺産分割の方法には、主に次の4種類があります。(1)現物分割:相続財産を現物のまま分割する方法です。(2)換価分割:相続財産の売却代金を各相続人に分割する方法です。(3)代償分割:本来の相続分以上の財産を取得した相続人が他の相続人に代償金を支払う方法です。(4)共有分割:遺産分割協議書の内容や法定相続分に応じて持分を決めて相続財産を処分せずにそのまま共有する方法です。この中で現物分割が1番わかりやすくスムーズな遺産分割方法ですが、難しい場合には他の遺産分割方法を検討する場合もあります。遺産分割協議に法的な期限はありませんが、相続税申告時に遺産分割協議書の提出が必要になるので、相続開始から10ヶ月以内に完了させるのが理想です。万が一、相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合には、後日協議がまとまった後に、再度その内容で相続税の申告をし直す必要が生じます。 |
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③遺産分割協議書を作成遺産分割協議で話し合いがまとまったら、その内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成します。相続人の全員が実印を押印して遺産分割の内容に合意したことを証明します。遺産分割協議書は、誰が何を相続したのかを証明する書類でもあるため、「誰が、どの財産を、どれくらい相続するのか」を明確に記載しておかなければなりません。 |
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④銀行や株などの証券口座の名義変更・解約手続き家族が死亡すると、故人名義の銀行の預金口座は凍結され、引き出しや自動引き落としができなくなります。預金口座の凍結は相続人全員が同意して所定の手続きをするまで解除できません。故人が証券口座を通じて株式など有価証券を持っていた場合は、相続人名義の口座を開設してそこに株式を移管する手続きをします。基本的に故人の口座から直接換金することはできません。遺産分割協議書の作成が完了したら、これらの各相続財産の相続手続きを行えます。預貯金や有価証券等の名義変更手続きの流れは、次の通りです。 |
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手順1:金融機関や証券会社に連絡する。手順2:残高証明書の開示、照会請求を行う。手順3:所定の届出用紙(相続手続依頼書)を入手する。手順4:届出用紙と必要書類を提出する 。手順5:相続人が口座開設を行う。(有価証券等を相続する場合) |
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金融機関の名義変更手続きを行うときに必要な書類は、主に以下の通りです。
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⑤生命保険の死亡保険金や入院保険金を申請する故人が生命保険の死亡保険に加入していた場合は、契約上の保険金受取人が死亡保険金をもらうことができます。保険金をもらうには、保険会社に保険証券や死亡診断書のコピーなど必要書類を提出します。保険金を請求できる期限は死亡から3年以内ですが、できるだけ早く手続きするようにしましょう。なお、死亡保険金は受取人の固有財産となるため、遺産相続で分け合う対象にはなりません。保険金をもらう手続きも単独ででき、他の相続人の同意は不要です。その一方で、疾病傷害入院特約などに加入していた場合の入院保険金の受取人は被保険者になります。故人の財産となるので遺産分割の対象となり、遺産分割協議などで受取人を決める必要があります。例として挙げますが、かんぽ生命保険の死亡保険金請求や疾病傷害入院特約に加入していた場合の保険金請求を行うときの手続き方法や必要な書類は、次の通りです。
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⑥相続登記(不動産の名義変更)の手続き不動産を所有していた人が亡くなった場合は、不動産の名義変更手続きが必要です。この手続きは一般的に「相続登記」と呼ばれていて、法務局に必要書類と登記申請書を提出して、手続きします。尚、2024(令和6)年4月1日から、相続登記が義務づけられることになりました。不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記申請をしなければなりません。過去に相続してこれまで相続登記していない不動産も、登記の義務化の対象となります。相続登記の手続き方法や必要書類は、次の通りです。
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⑦自動車の名義変更の手続き故人が乗っていた自動車は、誰かが引き継ぐ場合のほか処分する場合も相続の手続きをする必要があります。普通車は運輸支局または自動車検査登録事務所で、軽自動車は軽自動車検査協会の事務所・支所で手続きをします。手続きには車検証のほか遺言書や遺産分割協議書などが必要です。自動車の名義変更手続き先や必要書類は、次の通りです。
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⑧相続税の申告相続財産の分割方法が決定したら、相続財産の評価額を算出し相続税がかかるかの計算をします。相続税は固定資産税などと異なり、税務署が税額を計算して納付書を送ってくれるわけではありません。相続人自らが相続税の計算を行い、税務署に相続税の申告を納税を行う必要があります。相続税の申告期限は相続の開始を知った日(通常は故人の死亡日)の翌日から10か月以内です。 |
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相続税申告が必要となる主なケースは、以下のとおりです。(1)相続財産等の総額が、相続税の基礎控除額を超えている場合相続税の基礎控除額は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」で計算します。例えば、相続人が2名の場合には「3,000万円+2人×600万円=4,200万円」が基礎控除額になります。そのため、相続財産の評価額合計が4,200万円以内であれば、相続税申告も納付も必要ありません。相続税の納税が必要となる場合は、相続税の申告が必要です。(2)配偶者の税額の軽減の適用を受ける場合 |
相続税には基礎控除額の他にも様々な控除や特例が用意されています。 |
9.相続発生後1年以降に行うべき相続手続き |
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①【1年以内にやること】遺留分侵害額請求を行う |
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②【2年以内にやること】健康保険の葬祭費と埋葬費の請求を行う |
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③【5年以内にやること】遺族年金の請求を行う |
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10.相続手続きは誰に頼めばいい? |
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① |
【まとめ】相続の手続きはなるべく早めに専門家に相談・依頼するべし |
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① |
行政書士とは |
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